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仲澤 和馬(ナカザワカズマ)

NAKAZAWA Kazuma
職名 教授
専攻 環境エネルギーシステム専攻(D) (学部所属:教育学部理科教育講座[物理学])
講座 環境基礎科学

研究概要

地球に降り注ぐ電磁波や無数の粒子線の多くは,大気中の分子・原子と衝突し,新たな粒子線や電磁波からなる放射線を放出します。これらの放射線の多くは大気に吸収され,地表の我々は放射線から守られています。新たな粒子線の中には,短寿命(百億分の1秒程度)のストレンジクォークを含む粒子(ハイペロンとよぶ)が存在します。このハイペロンは,はるか宇宙の超新星爆発後にできる中性子星内に多く存在すると考えられています。中性子星の状態や構造を知るためには,ハイペロンと陽子や中性子との関係だけでなく,ハイペロン同士の相互作用を知らなければなりません。そこで,加速器を使ってハイペロンを二つ持つ原子核(ダブルハイパー核:DH.)をつくり,その質量を計測して,ハイペロン同士の相互作用を見いだします。図1は,ハイペロン同士の相互作用が,He原子核内では弱い引力であることをはじめて確定した,NAGARA eventです。図2は,2つのストレンジクォークをもつ粒子が核内に深く束縛されることを世界で初めて示したKISO eventです。本講座では,さらに多くの核種のダブルハイパー核を系統的に研究します。

図1.NAGARA event。ストレンジクォークを二つ持つ粒子が二つのハイペロンを作る。それらを含むダブルハイパー核(DH.)がA点で作られ,B点で崩壊した。

2KISO event。ストレンジクォークを二つ持つX-粒子がA点で14N核の深いところで束縛され,二つのハイペロンが作られた。各々を含む原子核(#1#2)が,BおよびC点で崩壊した。

研究キーワード

ダブルハイパー核, NAGARAイベント, 原子核乾板, 顕微鏡画像解析, 物理教育

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