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博士後期課程3年生の村田直樹さんと指導教員の李富生教授が平成26年度日本 水環境学会技術奨励賞を受賞(社会基盤工学科)

水質安全研究室博士後期課程3年生の村田直樹さんと指導教員の李富生教授が平成26年度日本水環境学会技術奨励賞を受賞しました。

受賞対象技術:浄水セラミック膜ろ過システムを用いた藻類障害対策技術の開発

上水道における藻類障害としては,凝集阻害,沈殿池およびろ過池からのフロック(藻類含む)流出,ろ過池閉塞などが挙げられる。また,浄水水質へ影響としては,藻類自身やその代謝産物による臭気や,前塩素処理によるトリハロメタン等の消毒副生成など様々な課題を有している。本技術では,セラミック膜ろ過の前処理として,微粉末活性炭と凝集を組み合わせることで高度な浄水処理を行うとともに,化学的強化逆洗により膜ろ過運転効率向上を図り,上水道における藻類障害の対策を行うものである。原著論文や学会発表などの学術・技術面での優位性に加え,浄水場での2年半に及ぶ実用化に向けての実証実験によって得られた技術的成果があり,より安全で美味しい水道水の生産を実現させる高度浄水処理技術として期待されると同時に,今後さらなる展開が期待されている。

本技術の主な特徴として,①フロック形成池・沈殿池が無いため,洗浄や汚泥浮上対策が不要であること,②膜ろ過による除濁・除菌により処理水中への藻類・原生生物などの漏洩が無いこと,③化学的強化逆洗により薬品洗浄周期が延伸できるので,維持管理費を低減できること,④微粉末活性炭により臭気物質,トリハロメタン前駆物質の除去性の向上が図れること,⑤前塩素処理を行わないので処理水中のトリハロメタン生成量を抑制できることが挙げられる。