URATA Takahiro | |
職名 | 准教授 |
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学科 | 電気電子・情報工学科 |
コース | 電気電子コース |
本研究室では、固体中の無数の電子が織りなす新奇な現象を、実験的に発見・理解することを目標にしています。
研究手段としては、試料の合成、評価、基礎物性の測定、解析という一連の流れを行いますが、特に無機化合物の単結晶試料を育成することに力を入れています。
以下では、最近の主な研究対象である、特殊な対称性を持つ磁性体について紹介します。
結晶中では原子が規則正しく配列を組んでおり、その配列の仕方は対称性によって分類されます。例えば、NaCl結晶のイオン配列は立方体状の骨格を持つので、例えば対角線を軸とした120度の空間回転に対して対称性を持つと言えます。一方、磁性を生み出す電子スピンは角運動量なので、その対称性を表すには時間反転の概念が必要です。従って、磁性体の対称性は、空間と時間をともに考慮しなければならず、非磁性体のものよりも複雑になります。この複雑な対称性に対して、近年様々な新しい視点が導入され、分野が活発になっています。特に、ある特定の条件を満たせば、電場や磁場、圧力などの外場に対して特異な応答を示すことが明らかになってきました。我々は、これを実現する物質の開拓を目的として研究を進めています。
研究キーワード:電子物性、磁性体、物質探索