YASHIRO Kisaragi | ![]() |
職名 | 教授 |
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学科 | 機械工学科 |
コース | 機械コース |
純鉄では1mm立方中に原子がおよそ10の20乗(1垓【がい】)個存在することからわかるように、これまでの材料設計では原子1つ1つの存在を意識する必要はなく「連続体」として扱うことで材料の変形・破壊の数理モデルを構築し大きな成功を収めてきました。一方、近年では顕微鏡技術の進歩によって、原子1つ1つを明瞭に観察し、さらには顕微鏡内で変形試験を行って原子の挙動を観察することが可能となっています。その結果、従来の連続体近似では理解できない新しい現象も次々報告されるようになりました。また、連続体として記述される材料であっても、合金組成や分散形態など、微視的な要因で変形・破壊挙動が変わりますが、そのメカニズムは未知の世界であり、膨大な組み合わせでの試作・年単位での耐用試験等を繰り返し、10年以上もの開発期間を経て初めて実用に供されることは珍しくありません。このため、コンピューターシミュレーションによるメカニズム解明が強く望まれています。このように、最先端の実験と産業技術のミッシングリンクとなる数百~数千ナノメートルの変形・破壊現象の支配力学法則を明らかにすることを目的として、分子動力学、第一原理計算、転位動力学、有限要素法など様々なスケールの数値計算手法を援用した研究を進めています。
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図1 耐熱Ni基超合金の強度評価に関する 電子・原子・転位論アプローチ |
図2 タイヤのデジタルエンジニアリング |
計算材料科学、固体力学、分子動力学、局所格子不安定