古山 浩子 (コヤマ ヒロコ)
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KOYAMA Hiroko |
職名 |
准教授 |
学科 |
化学・生命工学科 |
コース |
生命化学コース |
研究概要
陽電子放射断層画像撮影法(PET)は医薬品(あるいはその候補化合物)の体内での動きや分布を生体に傷をつけることなく画像として観察できる技術です。特に,脳の研究を展開するには優れた方法です。本学助教に着任後,鈴木正昭教授(本学名誉教授)の指導のもと「半減期20分の短寿命11C放射性核種で標識したPET用化学プローブの創製を中心にその基盤となる高速C-[11C]メチル化反応の開発」に邁進してきました。主な成果としては,多くの医薬品類の基本的な分子構造であるヘテロ芳香環上への一般的高速C-メチル化および合成化学的に困難とされてきたアルキル基どうしの高速クロスカップリング反応を達成しました。これらの反応は僅か5分で進行します。現在、目的とした4種類の高速C-[11C]メチル化が完成し、ほとんどすべての医薬品の11C標識化が可能となりました。最近では、本法を応用して、脳機能疾患(主にアルツハイマー病)や脳腫瘍(特に薬剤耐性を獲得した難治性がん)の診断・治療を目指した高機能性PETプローブの開発にも成功し、生物学および医学研究者とともに分子イメージング研究を行っています(図1)。このような「生体内分子科学(in vivo Molecular Science)」の推進には、化学・生物学・医学系分野が密に連携した基礎から実用まで目指す一気通貫型学際研究体制の構築がますます重要となっています。
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図1.ヒト分子イメージング技術開発の例:薬剤耐性に関わる酵素イメージング用標識化合物の合成(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2017). |
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研究紹介資料
研究キーワード
11Cおよび18F標識化法
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高機能性PETプローブ |
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生体内分子イメージング |
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