2019年11月25日
題 目:腐食した実吊橋ケーブルの腐食評価基準の検討
著 者:宮地一裕,木下幸治,矢野義知,玉田和也
概 要:吊り形式橋梁に用いられる主ケーブルは長期の耐久性が求められる.使用される鋼線は耐食性の向上が図られているが,腐食した事例が国内外で報告されており問題となっている.一般に複数の素線が束ねられたケーブル内部の腐食状況を外観のみから評価することは困難である.著者らは主ケーブルの腐食状況を明らかにすることを目的として,実吊橋主ケーブルのFT-IR分析による腐食成生物分析を行い,外観の違いから腐食生成物が異なることを確認した.
本研究では各腐食レベルにおいて腐食成生物の組成を調査し,組成分析結果を反映させた腐食評価基準の検討を行った.さらに外観の腐食状況から内部の健全性を評価できる可能性について言及した.