コンクリートをはじめとする建設材料およびそれによって構成される道路,鉄道や上下水道などのインフラストラクチャー(インフラ)は,安全・安心,さらには豊かなくらしに貢献しています。しかし,現状のインフラを維持しようとすれば継続的な投資が必要であり,それを怠ると人命を奪うような事故も発生しかねません。そこで,新しい補修技術の開発などのハード面,および優先順位をつけて管理するなどのソフト面から「うまく使いこなす」方策が検討されています。 先端材料・構造研究室は,「インフラを使いこなすための技術開発」をとおして社会に貢献することをミッションとしています。具体的には,インフラの維持管理に資する高機能材料や工法の開発をしています。「緻密でよく曲がるモルタル」を開発し,これを用いた補修工法を実用化しています。その他にも,「コンクリートのひび割れを知らせるセンサ」の開発,「ひび割れたコンクリートが自己治癒する技術」の開発などに取り組んでいます。
インフラの維持管理に貢献する新材料の開発を行います。例えば,緻密でよく曲がるモルタルを開発し,地震による被災した構造物の復旧,コンクリート構造物の補修・補強などへ展開し,実用化段階の研究を行っています。また,コンクリートのひび割れの履歴を残すことができるFRP製センサを開発し,ひび割れの「みえる化」に貢献します。
緻密でよく曲がるモルタル
FRPセンサによるひび割れの検出
コンクリート構造物をはじめとするインフラの安全性を担保するには実験的な検証だけでなく,数値解析の援用が不可欠です。
例えば,短繊維補強コンクリートのライフスパンシミュレーション手法を開発し,短繊維補強コンクリートが製造されてから解体されるまでをコンピュータによりシミュレーションする手法の構築を目指しています。
引張またはずれを生じる繊維補強コンクリートの構造解析