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工学部長メッセージ

成長・成熟の場、学問発信の場でありたい

 工学部長 村井 利昭

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 4月上旬、本学正門を入ると満開の桜に目を奪われることでしょう。では他の季節はどうでしょうか。工学部までの道のり、楠、銀杏、ハナノキを始めとして様々な樹木が目に入ります。低木のツツジ、サツキや椿も、それぞれの季節に桜に劣らず自己主張しています。工学部正面玄関より左手、講義棟の西側にはメタセコイヤがまっすぐにそびえ立っています。今では7階建ての建物と同じほどの高さになりました。30年の時を経てです。これらの樹木の中には、冬には一切の葉っぱを落として、見かけ上枝だけのシーズンを過ごす種もあります。それでもその間、目には見えないですが、根、幹や枝では確かな変化や成長があります。教育も同様です。このキャンパスで過ごす期間は博士課程まで進学したとしても10年足らずです。その間乳児・幼児の頃の様な見かけの変化はありませんが、確かな内なる成長が糧となって数年、十数年さらには50年余りの人生を豊かにすることもできます。

 大学生になると今までは全く聞いたことがない多くの内容を学ぶことになります。選択できる科目もWeb上にあるシラバスという授業紹介で見ることができますが、初めての学生さんにとって書かれた内容は簡単ではありません。その中から選択できる科目を決める時には「よくわからないけれども自分にとっては大切かも知れない」という感性を発揮できるかどうかが鍵です。履修した後改めてシラバスを読むと「このことだったのか」と事後的に納得できる、この過程を繰り返します。

その繰り返しの中、自分自身のベースとなる学問領域の基礎を習得して学部を卒業します。入学した時には全く知らなかった多くの工学に関する言葉を身につけて、それを自在に使っている自分に気がつくはずです。その後、大学院修士課程、博士課程まで進学すると、もらった課題をどんな風に展開しようかと考える、あるいは新たな課題を自ら提案できる様になります。考えに浸り、実験に夢中になって食事を摂ることを忘れてしまうほどになる時もあるかもしれません。

またその間、少し違うフィールドにいる友人や異なる文化背景で育った人たちに自分の思いや研究内容を伝えなくてはいけない機会もあります。その時に大切なのが「コミュニケーション能力」です。会話が不調になった時、相手に伝えたい内容を冷静にまとめ上げると同時に相手のバックグラウンドを的確に判断して、誠意を持って伝えたいことを伝えようとすることができる様にもなりたいです。

 工学部がカバーする学問分野は実に多彩で多様です。ピコからナノサイズが対象の分野もあれば光年を対象にする分野もあります。時間軸も10-15秒から数百年あるいはそれ以上が対象です。様々なものや現象、それらの動きや動向の予測、さらには制御することにも取り組んでいます。ドローン、3Dプリンター、AIや機械学習、深層学習など、格段の発展が期待される分野で邁進する研究グループもあります。それぞれの学科のWebサイトを訪ねていただくと臨場感のあるシーンを見ることができます。

私たち工学部は、学生さんが成長・成熟できる場を提供するとともに、高い独自性と発展性を有する学問成果を発信できる場でありたいと考えています。
「学びが人生のナビ」になります様に。