ウ ティン

WU Ting
職名 准教授
学科 電気電子・情報工学科
コース 電気電子コース

研究概要

 雷は一見シンプルな自然現象ですが、実は未解明の物理機構はまだ多くあります。一つの雷の継続時間は僅か数百ミリ秒ですが、その間に様々な放電過程が起きます。多くの放電過程は雲の中に起きるので、最先端のビデオカメラでも観測できません。ここで、私は雷が放射する電磁波を利用して雷放電路の三次元構造を特定できるFALMAと呼ばれるシステムを開発しています。下図はFALMAが観測した一つ落雷の三次元構造を示しています。FALMAは広範囲の雷放電の詳細な動きを高精度に観測できるので、FALMAの観測を基に、様々な放電過程の物理機構の解明に取り組んでいます。

 FALMAは気象災害の監視と予測にも使えます。まず、FALMAの高精度の観測で雲内の電荷の分布を推定でき、電荷分布から次に発生する落雷を予測することができます。更に、雷放電の種類と放電路の構造は積乱雲の発達と関連するので、FALMAによる雷放電の高精度の測定を利用して積乱雲の監視と予測も可能です。将来、FALMAの観測は電力システムの雷害防止や極端気象現象の予知に大きく貢献すると期待されます。

          FALMAが観測した落雷の放電路三次元構造

研究キーワード

 雷、雷三次元測定、雷害防止、極端気象

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