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博士後期課程修了者の野崎洋之氏が平成28年度日本自然災害学会学術奨励賞を受賞(社会基盤工学科)

平成28年3月に大学院博士後期課程を修了した野崎洋之氏が在学中に発表した論文で平成28年度日本自然災害学会学術奨励賞を受賞しました。
 
論文題目:地震保険加入・非加入の選択行動と地震保険の募集実態に関する調査・研究
論文著者:野崎洋之,髙木朗義
掲載誌 :自然災害科学,Vol.34,特別号,pp.87-98,2015
論文掲載URL:http://www.jsnds.org/ssk/ssk_34_s.html
論文概要:
地震保険はオプト・アウト方式を採用しているため,本来であればほとんどの火災保険加入者が,地震保険の付帯・非付帯について十分な検討をすることなく,自然な選択として火災保険に地震保険を付帯するはずと考えられる.しかし,本研究で実施した「地震保険に関する消費者意識調査」の結果によると,十分な検討を怠った者が火災保険に地震保険を付帯せず,検討した者が地震保険を付帯するという行動を取っており,リバタリアン・パターナリズムが期待する行動(理論)と実態に矛盾が生じていることを確認した.
その上で,消費者が火災保険に地震保険を付帯するか否かの検討・検討度合いに強い影響を与える場となる損害保険代理店との対面の場について,「損害保険代理店による地震保険の募集実態に関する調査」を実施した.その結果,一般的な損害保険代理店は,地震保険をオプト・イン方式で説明をしており,地震保険の付帯率が高い損害保険代理店は,地震保険をオプト・アウト方式で説明していることを確認した.したがって,制度設計者が期待するように,現行の地震保険制度・商品のままでも,地震保険をオプト・アウト方式で説明することで,地震保険の付帯率の向上(地震保険の普及)を図ることが可能である.
 
野崎氏表彰状20161213.JPG野崎氏受賞式20161213.JPG